metaSAN ホワイトペーパー その 22008/08/19
metaSAN ファイル共有の仕組み
metaSAN のファイル共有環境は、まず共有されるSAN ストレージを中心にして設定されます。 共有さ
れるストレージは論理的なボリュームで各コンピュータがマウントすることが可能なWindows NTFS、または、Mac OSX HFS+ ファイルシステムで初期化されたボリュームです。
共有されるストレージを設定すると、次に、そのストレージにアクセスするコンピュータを設定します。SAN に参加する総てのコンピュータのID はネットワークのIP アドレスで登録されます。metaSAN はインストールされたコンピュータ内の各ボードのユニークな番号も管理するべきものとして登録します。こうして、共有ボリュームと共有に参加するコンピュータを設定することにより、SAN のファイル共有の条件が整います。ファイルにはSANのメンバーのコンピュータの内1台だけがその時点で書込むことができます。他のメンバーからの書込みはその時点ではブロックされ、ファイルの整合性が保たれます。アクセスや、書込みを制御することを排他制御といい、metaSANの基本機能となります。metaSAN の場合、ネイティブファイルシステムのデータベースに代わり、metaSAN のファイル構造を定義するデータベースがあります。このデータはディスクの内部に書き込まれていますが、同時に各メンバーのコンピュータのメモリー中に展開されています。
- クロスプラットホーム環境をサポート:Windows XP、Windows 2003、 Mac OS X、及び、RH
Linux のコンピュータからSAN 内でコンテンツを共有することにより、クリエータの高度なコラボレー ションを実現します。- ファイバーーチャネル、iSCSI、Ethernet、及び、InfiniBand インタフェースで接続されたストレージに対して、複数のコンピュータからの共有が可能です。
- 高速なファイルシェアリング:複数のユーザーが同じボリューム、フォルダーにアクセスし、読み書き が可能です。
- 高いデータ転送性能:最低限のオーバーヘッドが最大のデータスループットを保証します。
- OS ネイティブファイルシステム:NTFS とHFS+ のもつ完全性とセキュリティーをそのまま保持し
ます。- ネイティブOS でのアクセス権アカウントをそのまま参照:パスワードの管理を追加する必要がありません。
- 透過的で、簡単な使用方法:共有ストレージはローカルドライブとして常にマウントされます。
- ノード毎へのバンド幅割当:利用可能なSAN のファイバーチャネルのバンド幅を各SAN メンバー
のコンピュータに対して、個別に優先的に分配したり、平等化させたりすることができます。- LAN クライアントからSAN 共有ボリュームへのアクセス:SANメンバーに接続されたLAN クライ
アントに、SAN ボリュームへアクセスすることを可能にします。- LAN クライアントに対して、SAN に直接接続されたメンバーがゲートウエイとして、メンバー間でロードバランシングを行い、LANクライアントのトラフィックを集中を分散します。
- ユーザークォータの割当:ストレージに対するアクセスの競合を避けるために個々にクォータを割り当てることができます。
- 24 / 7 のミッションクリティカル業務対応::リアルタイムフェイルオーバー機能によるフルに冗長 化されたクラスタ型のSAN スト レージ環境を提供します。
metaSAN は、複数のコンピュータからアクセスの衝突を防ぎ、データを破壊から守り、ファイルの真の共有を可能にします。
図-1 は、metaSAN がサポートするSAN の一例です。大容量のSAN ストレージにSAN スイッチ、ファイバーチャネルを介して、Windows 機やMac OSX 機、または、Linux 機が接続されます。
これらのコンピュータはNTFS、または、HFS+ で初期化されたSANボリュームをローカルディスクとし
てマウントし、読み書きすることが できます。
更に、図-1. 右下にあるFC インタフェースを持つテープバックアップは、SAN メンバーのコンピュータからmetaSAN のストレージ共有とバックアップユーティリティーを使用して、データのバックアップをテープ装置にとることができます。この方法は、通常のEthernet を介してデータを転送するバックアップサーバソリューションに比較して、高速、且つ、低コストなLANフリーバックアップ ソリューションです。図-1
典型的なmetaSAN の構成はSANに参加するコンピュータ(SAN メンバーと呼ばれます。)と、これらのコンピュータとファイバーチャネル、iSCSI、または、InfiniBand インタフェースで接続された共有ストレージから構成されます。metaSAN では、共有されるストレージの内部情報、及び、参加メンバーのアクセス状況はMetadata として管理されます。このMetadata をSAN メンバーを代表して管理する役割をメタデータマスタ が果たします。メタデータマスタは共有ボリュームを管理し、他のメンバーが共有ボリュームにアクセスする場合に排他制御を行うことにより、データ破壊を防ぎます。共有ストレージにメンバーがアクセスしようとすると、メタデータマスタ は必要なサービスデータを提供し、オペレーションをうまく完了させます。このサービスデータはLAN で渡されますが、実際のユーザーデータは高性能なファイバーチャネル を介してアクセス、転送されます。
メタデータマスタのフェイルオーバーとは、 メタデータマスタに障害が発生した場合に、その管理権限が自動的に他のメンバーのコンピュータに譲渡される機能のことです。Mac OS X や、Windows が稼動するメンバーのコンピュータで、事前にメタデータマスタ にならないように設定したコンピュータ以外、どのコンピュータもメタデータマスタ になることが出来ます。
metaSAN においては、メタデータマスタ及び、他のSAN のメンバーは常時相互をチェックしており、一定の時間以内にメタデータマスタがレスポンスを返してこない場合、メタデータマスタに障害が発生したと判断し、Metadata のマスター権限を他の正常なSAN メンバーにフェイルオーバーさせます。この機能により、ボリュームを管理するメタデータマスタ はダイナミックに交替することができます。フェイルオーバーが起こる状況になった場合は、他のSAN メンバーがメタデータマスタ を引き継ぎ、他のメンバーからのMetadata に対するリクエストを処理し続けます。この意味で、metaSAN はノンストップのオペレーションを可能にするクラスタ型のストレージネットワークと言えます。【関連リンク】
・【製品紹介】高速SANファイル共有ソフトウエア metaSAN
・【導入事例】metaSAN/metaLAN 導入事例