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Storage Bridge Bayからの出発
〜SBB規格がもたらすストレージの未来像〜

2010.7.29 

jipe-ji 
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iconSBBとは
iconSBBによるハードの標準化
iconSBB規格による内部バスの標準化
iconSBB規格によるストレージ製品
iconSBB標準化の示す未来のストレージ
iconRAIDコントローラ用CPUの動向
iconStorage Processer : Jasper Forest
iconSBB2.0とJasper Forest
iconSBB2.0からみえるストレージ製品
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SBB2.0からみえるストレージ製品

今までSBB2.0におけるSAS2.0規格の 6Gb インタフェース、FC-8Gb インタフェース、Intel 社のNehalemアーキテクチャをベースにしながらXOR機能を内蔵したストレージコントローラとしても使用できるCPUのことをご紹介してまいりました。
また、大規模ストレージシステムを構成するセル的な部品としてのハードディスクにおいてはSAS(Serial Attached SCSI)インタフェースのドライブとSATA(Serial ATA)インタフェースのドライブで着実な進化が起きています。エンタープライズクラスのハードディスクインタフェースはSAS2.0となり、全二重で書き込みも、読み込みもそれぞれ600MB/秒(6Gb/秒)の性能で同時に実行されます。また、SAS 2.0仕様のドライブはIO性能を向上させるための大容量リードライトキャッシュや、コマンドを事前に受付処理し、128コマンドまで受け付けることができるコマンドキューイング(Command Queuing)、回転待ち時間、ヘッドシークを削減する等、より効率のよいリードライトを実現する上で大切な機能が充実しています。一方、SATAもSATA2.0の仕様となり、SASドライブと比較すると諸機能で劣りますが、ミットレンジクラスのストレージ製品として充分使用可能な機能が備わってきています。
以上のように、SBB2.0筐体内部には高性能、高速なドライブ、SAS2.0仕様のバックプレーン、Jasper Forest レベルの高性能CPU、大容量メモリ、更に、PCI Express Gen-2の5Gb 4レーンや、8レーンの広帯域ローカルバス上のスロットに挿入されたFC、SASや、10Gb NICカード等、高速データ転送を保証するハードウエアを装備することが可能になります。
下図はSBB2.0ストレージ筐体の内部で実現可能と想定される高速なRAID装置のブロック図です。高速HDDとSAS2.0 Expander を結ぶバスは全二重の6Gb SASです。また、大容量メモリは最大48GB程度は実装可能です。このように高性能ストレージシステムにおいては、従来のように特殊なOSをRAIDのファームウエアを搭載するだけでなく、x86アーキテクチャで稼動可能な汎用のWindows OSや、Linux OSとそれらのOS上で稼動する仮想OSやアップリケーションも搭載することがきることでしょう。
現在、CloudやGridの名前でよばれるストレージの仮想化技術は今後ますますユーザに利用されると考えられます。例えば、Windows 2008においてはDFS/Name Spaceというストレージの仮想化の概念が既に内包されていることは読者の多くの方がご承知の通りです。


下図は、SANストレージや、内蔵ディスク、ネットワークストレージのディレクトリー上の位置情報を同一ネームスペースとして管理し、ネームスペースを管理するサーバホストにアクセスすることで、そこに収容されたパス情報に基づき、デレクトリコントローラ配下にある他のネットワークストレージ上のデータに対して更新したり、読み出したりすることができる分散ファイルシステムです。


また、Linuxを代表するRedHat 5.0でもGFSをベースにしたストレージのグリッド化が進化しています。GNBDとよばれるストレージノードをGNBDサーバで管理し、このGNBDサーバにアクセスすることで、ネットワーク上の他のGNBDストレージノード内のファイルにアクセスすることができます。
このように、近年のOSには既にストレージの仮想化機能が実装されつつありますので、SBB2.0筐体に搭載されたストレージシステムではこれらの分散型のファイル管理システムをRAIDシステム中で実現することができるようになると予想されます。
一方、基本OS上にゲストOSを複数搭載するサーバ仮想化に関しても、RAIDコントローラ内で大容量ストレージ対するダイレクトなアクセスを保証することで、複数OSからの単一ストレージに対する同時にアクセスする際に発生するアクセス性能の大幅な劣化(Congestion)の問題を解消することが可能になります。
また、既に多くのエンタープライズストレージ製品で実装されはじめた

  • ハードウエアSnapshotに基づくディスク内でのデータのリアルタイムバックアップ
  • SSDや、SAS、SATAドライブ等で構成されるストレージの階層化(Multi-Tier Storage)でのデータのタイプ、アクセス頻度等のポリシーベースでのデータマイグレーション
  • 重複データの削除(De-duplication)
  • 必要に応じストレージ容量を追加したり、削減したりすることが可能なストレージプール機能

これらの新規機能を容易にRAIDコントローラ内に実装することができます。
SBB2.0ベースのストレージ筐体は今年末頃からストレージユーザーは利用することが可能になるでしょう。また、Jasper ForestベースのRAIDコントローラも2011年中には市場に投入され、各ストレージベンダーの技術と知恵を凝らした新しいストレージ製品として紹介されてくると予想されます。
IDCやGartnerといった有名調査会社でのフォーキャストでも今後ますますユーザの非構造化データが増大し、これに対応してネットワークストレージは進化を遂げて行くことでしょう。

jipe-ji 
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【関連リンク】
・【製品紹介】高性能RAID ストレージ XRS シリーズ
・【用語解説】SBBとは

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