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〜Windows Storage Server 2008 R2で強化されたストレージアプライアンス〜

ネットワークストレージ 第二世代 CLASTOR2100-WS

2011.5.31

アイコンネットワークファイルサーバ・ CLASTOR2100-WSの主な特長
    1.ファイル共有サービス
    2.重複排除(Single Instance Storage) 機能
    3.強化された分散ファイルシステム(DFS = Distributed File System) でのフォルダー共有
    4.DFSのレプリケーション機能を装備
    5.ファイルサービスの冗長化
アイコンCLASTOR2100-WSによる課題の解決
    スケーラビリティー (拡張性)
    アベイラビリティー (可用性)
    セキュリティ
    データリカバリ
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現代の企業、組織において生産性と安全性の高いシステム構築とデータの有効活用は国際ビジネスの厳しい競争の世界で勝ち抜く上で不可欠なものといえます。更に、iPad等のコンテンツプレゼンテーションツールの普及で更に映像、画像のデータは急速に増大することは議論の余地がありません。一方、これらのデータの保存管理や、データアクセスコントロール、バックアップリカバリ等、企業組織のIT管理者はデータ管理に多くの課題を抱えています。
弊社はこのようなストレージに関する課題をまとめ、ソリューションパッケージとして以下の4モデルのネットワークストレージ用1U Quadcore Xeonサーバーをプラットフォームとしたアプライアンスを準備しています。

CLASTOR2100-WS : ファイルサーバー・アプライアンス
CLASTOR2100-MS : ブロックレベルファイル共有アプライアンス
CLASTOR2100-LX:iSCSIストレージアプライアンス
CLASTOR2100-DP : 継続的バックアップリカバリーアプライアンス

CLASTOR2100-WSはWindows Storage Server 2008 R2をそのコアOSとして搭載しています。本稿では第二世代のCLASTOR2100-WSのOSとして搭載されたWindows Storage Server 2008 R2に関し、その新機能や強化された諸機能の幾つかをご紹介します。
Windows Storage Server 2008 R2はマイクロソフト社のOEMパートナーからストレージ製品に搭載された状態で提供されます。Windows Storage Server 2008 R2はWindows Server 2008 と基本的な仕様は同等ですが、ストレージサーバーとして機能が強化されています。また、ネットワーク内での他のWindows Serverファミリーとも高い親和性があります。
通常Windows Server 2008はクライアント数に応じてサーバーコストが異なりますが、Windows Storage Serverファミリーの場合、クライアント数に拘らず一定のライセンス費用で済み、経済性に優れたネットワークストレージを構築することが可能です。

ネットワークファイルサーバ・CLASTOR2100-WSの主な特長

  1. ファイル共有サービス
    ファイルサーバに対し複数の同時書込を可能にするSMB2、および、NFS3.0、FTP、 HTTP、WebDVAなど各種プロトコルをサポート
    SMB1.0 では書込みのリクエストを同時に1つしか受け付けることができず、順々に処理されていましたが(図1)、SMB2.0では、幾つものライトリクエストを同時に受け付けることができるようになりました(図2)。それぞれのリクエストがデータ書込みを同時にRAIDストレージに転送することで、書込みの際の待ちが大幅に改善されました。

  2. SMB1.0とSMB2.0のファイルリクエスト/レスポンスの違い

    図1、図2:SMB1.0とSMB2.0のファイルリクエスト/レスポンスの違い

  3. 重複排除(Single Instance Storage) 機能
    重複データの削減を行いストレージ容量の省スペース化を実現
    Windows Storage Server 2008 R2とWindows Server 2008との大きな違いの一つに重複排除機能があります。この機能はStorage Serverのみに搭載され、保存データが重複した場合、1つのデータに置き換えSIS Common Storeという隠しフォルダに保存し、重複分のデータにはロジカルリンクのみを登録しておく方法でストレージ容量を圧縮することができます。

    図3:重複排除(SIS)ファイルの扱い
    図3:重複排除(SIS)ファイルの扱い

  4. 強化された分散ファイルシステム(DFS = Distributed File System) でのフォルダ共有
    DFS名前空間による仮想ストレ̶ジ共有。
    DFS名前空間はネットワーク上に1つの共有スペース(フォルダ)を設け、その内部にネットワーク内に散らばるサーバのデータを一元的にアクセスできる共有ファイル環境です。このDFS 名前空間により提供された仮想的な共有フォルダによりネットワーク内のどのクライアントからもファイルにアクセスすることが可能になります。

     図4:DFS 名前空間のフォルダ共有
    図4:DFS 名前空間のフォルダ共有

  5. DFSのレプリケーション機能を装備
    DFSにはレプリケーション機能が装備され、名前空間を対象にそのレプリカを作成することができます。
    Active Directory Domain Service(AD DS) のある環境で名前空間の共有フォルダにリンクされたサブフォルダやファイルをネットワーク上の他のサーバに保存することができます。DFSのレプリケーションは名前空間フォルダへのデータ書込み、更新、内容の変更などが発生した場合、その新規ファイル、更新ファイルの更新部分のブロックをネットワーク上で圧縮して転送します。
    例えば、支店、営業所にあるサーバのデータを本社で同期して保存することができ、別途にバックアップを取る必要がなくなります。

  6. ファイルサービスの冗長化
    AD DSのある環境では、ストレージサーバをフェイルオーバークラスタ構成にし、24/7のオペレーションに対応する冗長化システムを構築することができます。

    図5:フェイルオーバークラスタ構成 冗長化システム
    図5:フェイルオーバークラスタ構成 冗長化システム

CLASTOR2100-WSによる課題の解決

スケーラビリティー (拡張性)

  1. 分散ファイルシステム(DFS)を採用することで、社内に散在するファイルを名前空間の中で共有することが可能になります。また、必要に応じ名前空間内にフォルダを追加することで、ストレージを停止することなく容量の追加が可能です。
  2. 重複排除機能によりデータの重複を自動的に削減し、増大するデータに対し、ストレージ容量を有効利用することができます。

アベイラビリティー (可用性)

  1. ストレージ内のアレイをRAID-6の冗長化構成で設定することにより10の-6乗まで、データ消失リスクを軽減します。
  2. サーバのフェイルオーバークラスタ構成により、24/7対応のオペレーションを可能にします。
  3. ストレージインタフェースのマルチパスドライバにより、ストレージ、サーバ間のパスを多重化し、万一の障害に対し代替の経路でのデータ転送が可能になります。
  4. Ethernet 経路仮想化(Teaming)により、データ転送バンド幅の増大だけでなく、万一のネットワーク障害に対し、より高い可能性を発揮します。
  5. DFSのレプリケーションにより、共有フォルダの複製を作成することができ、リアルタイムでの複製データの更新が可能です。サーバをクラスタ構成にし、フェイルオーバー側のサーバにレプリカを設定した場合、パスのリダイレクトは自動的に実行されます。

セキュリティ
Windows Storage Server 2008 R2でのセキュリティはWindows 2008 Serverと同等の機能です。

  1. AD DSのドメインコントローラによる認証システムは、組織全体をポリシーベースでシステムリソースに対するアクセス認証を可能にします。Windows Storage Serverファミリーはこのドメインコントローラの認証システムに準拠し、共有ストレージへのアクセスをコントロールすることが可能です。
  2. ボリューム、フォルダへのアクセス認証、認可。
  3. BitLockerでのボリューム全体の暗号化。
  4. Windows 2008で強化されたFireWallによるセキュリティ。
  5. IPsecでのネットワークの暗号化。

データリカバリ
Windows Storage Server 2008 R2にはVSS(Virtual Storage Service)Snapshotベースのバックアップ機能が付属しています。この機能を使用して最短15分おきにボリュームのSnapshotを保存し、万一の障害が発生した場合、このデータを使用してリカバリを実行できます。しかし、このバックアップ機能は容量制限があり、2TBを超えるボリュームのバックアップをとることができません。2TBを超えるボリュームのバックアップに対して、弊社ではファイルサーババックアップ用としてCDPアプライアンスをご提供いたします。機能は以下の通りです。

  1. 最短5分単位でのSnapshot
    Snapshotは最短5分単位で撮ることができ、ブロックレベルの変更に対応しています。 Snapshotのデータをさらに圧縮し、重複排除機能を使用することでバックアップストレージスペースをより大幅に削減することができます。
  2. バックアップデータのレプリケーション
    ネットワーク上のCDPアプライアンスへのバックアップデータのレプリケーション。
  3. CDPサーバ上のInternet Explore ウィンドウへのボリュームコンテンツのクイックマウント。Explorer画面上に過去のリカバリポイントでのファイルの状態を瞬間的に再現します。コピーコマンドでその指定したデータを取出すことが可能です。
  4. Image Dataのエクスポート
    システム以外のデータを他のボリューム内のフォルダにエクスポートすることが可能です。この方法により、データボリュームのリカバリを瞬間的に行なうことができ、エクスポート直後からそのデータを使用することが可能になります。
  5. Bare Metal Recovery
    Windows Storage Server 2008 R2のシステム、データのイメージを他のハードウエアにそのまま復元することが可能です。この機能により、万一ファイルシステムに障害が発生した場合でも他のハードウエアにシステム、データをそのまま復旧することができ、システムダウンの時間を最短にすることが可能です。

まとめ
以上ご紹介致しましたように、Windows Storage Server 2008 R2を搭載したCLASTOR2100-WSはクラウド時代のパワフルなネットワークストレージです。また、本稿では触れておりませんが、Windows Storage Server 2008にはファイルサーバをIP-SAN ストレージとして利用することが可能なiSCSI Target 機能が標準搭載されています。このiSCSI Target機能を仕様することによりClaStorはファイルレベル共有の他、ブロックレベルでもアクセスすることができるストレージとしてご利用いただくことができます。
CLASTOR2100-WSは高い投資効果と組織グループの高い生産性を実現することができるクラウド時代の最適なネットワークストレージとして本年4月から発売予定です。ご期待下さい。

【関連リンク】
【製品紹介】ファイルサーバ・アプライアンスCLASTOR2100-WS
【技術資料】業務継続のためのサーバクォーラム構成術

 


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