スナップショットとVSS
2009/02/16
データバックアップ
バックアップ運用の問題点
スナップショット
スナップショットバックアップの運用と課題
エージェント方式によるスナップショットバックアップ
VSSによるスナップショットバックアップ
VSSの特徴
XRS RAID ストレージのVSS対応
全文ダウンロード
技術革新によるドライブの大容量化も進んだおかげで、大容量ストレージの導入事例はどんどん増えていますが、それにともなって大容量ストレージシステムを活用あるいは運用する上での課題も顕在化してきています。 課題のひとつにバックアップがあります。 大容量化したストレージを従来の手法でバックアップをとるのは、限界になりつつあります。
データバックアップの目的は大きく分けて2つあり、障害時に復旧させるため、そしてもうひとつは業務的理由または人為的ミスに備えて過去のデータを参照することを目的としています。従来は、バックアップは業務時間終了後の夜間や週末などにおこなうケースがほとんどでした。 業務中におこなわない理由は、データバックアップ中にデータの更新が発生すると、保管したデータに不整合が発生する可能性があるからです。最近では、IT化された業務が増え、データ量が増えたことによって、バックアップにかかる時間が長くなりつつあります。一方、オンラインサービス時間の拡大やインターネットサービスの普及などにより、業務を停止できる時間は短くなる傾向があります。より大量のデータをより短いダウンタイムでより確実にバックアップすることがより重要になり、それを実現することが頭痛の種になっているシステムの運用担当者が増えているのではないでしょうか。この問題を解決する技術のひとつが、スナップショットです。
スナップショットは、ここまで述べてきたバックアップの問題点を解決するキーテクノロジーのひとつです。スナップショットを実行すると、極めて短い時間でその時点でのデータイメージを残すことができるので、オンライン業務を中断することなく(あるいは非常に短時間の中断で)、整合性のあるバックアップをとることが可能になります。スナップショットは、実行の主体がソフトウェアかハードウェアか、また実現する手法においていくつかの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
- COW(Copy On Write)スナップショットの仕組み
- COWスナップショットの長所と短所
- スナップショットクローニングの仕組み
- スナップショットクローニングの長所と短所
- スプリットミラースナップショットの仕組み
- スプリットミラースナップショットの長所と短所 →詳細を読む
スナップショットはそれぞれに特徴はあるものの、どの方式でも非常に短時間でストレージのデータイメージを固定することが可能になり、それをバックアップすることができます。しかし実際の運用を考えた場合、共通する課題があります。
エージェント方式とは、バックアップツールの側でアプリケーションやハードウェアを制御するためのエージェントを用意し、スナップショットをバックアップするのに必要な一連の処理をバックアップツールから実行できるようにする方法です。
VSS(Volume Shadow copy Service)とは、Windows XP および Windows Server 2003 以降に実装されたシャドウコピー(=スナップショット)バックアップのための共通インフラストラクチャです。
VSSでは、バックアップツール、アプリケーション、ストレージハードウェアの各ベンダーがVSSの機能に対応さえしていれば、スナップショットバックアップを簡単に実現できます。VSSライタ対応のアプリケーションを使えば、オンラインのままでバックアップをとることが可能になります。
XRS RAID ストレージのVSS対応
COWスナップショット機能(標準4 世代、オプションで24 世代)は実装済み。スナップショットクローニングは実装予定です。【関連リンク】
・【技術資料】クラウド時代のバックアップ手法
・【技術資料】CDPバックアップソリューション CLASTOR2100-DP