グリッドストレージとデータマネージメント
2009.7.21
ストレージグリッド化
データマネージメントの必要性
データのバックアップの課題
データのレプリケーション
データマイグレーション
階層化ストレージ管理
まとめ
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近年、ITの話題でコンピュータのクラウド化という言葉をよく耳にするようになり、また、これらの技術に関する多くの文献を目にするようにもなりました。
今日、クラウドコンピューティングはまさに雲の様につかみ所の無いネットワークの中で、ユーザは最低限のコンピュータ資源により、リモートサイトにあるコンピュータ群とインターネットで接続し、その資源を利用して必要業務を行なうことができます。また、場合により、データもそのまま預けるコンピュータサービスの形態を指す様になりつつあります。高速インターネットが当たり前になってきた今日では、Google等が提供する各種のサービスアプリケーションを使用して日常業務を行なっても、それほどストレスを感じることはありません。また、同時にこれらのサービスには一定の料金体系でデータそのものを預けるストレージサービスが提供されている場合が殆どです。これらのクラウドコンピューティングでのデータ保存の場合も、グリッドストレージと呼ばれる複数のネットワークストレージを仮想化した論理的ボリューム空間をクライアントアプリケーションに提供するAPIを介して使用されせるサービスが一般化しつつあります。
この背景の技術として有名なのはGoogleですが、独自開発のGoogle FS(GFS)という分散型のファイルシステムにより、ストレージのメタデータベースを管理するマスターと呼ばれるネットワーク上のサーバ群と、データ(チャンク)を保存するネットワークストレージから構成されています。(下図参照)
グリッド、クラウドと呼ばれるコンピュータ技術の進化は大容量のデータを水平的なネットワーク内の仮想的なボリュームに保存し、サーバが提供するメタデータ情報に基づき、データアクセスサービスを提供します。例えば、YouTubeは毎日10TBのデータがアップロードされるとのことです。この様に、インターネットに接続されたネットワークストレージを仮想的に論理的なストレージボリュームとして利用する技術は、今後数年間でデータ量が現在の10倍以上に増大することが予測される中、ストレージ技術において現在考えられるの唯一のソリューションと言えます。
このGoogleのGFSは一種のストレージ仮想化技術にあたり、SNIA(Storage Network Industory Association)では仮想化技術を以下の様に定義しています。
- ストレージやサービスの内部構造を普通のコンピュータや、ネットワーク、アプリケーションから抽象化したり、隠蔽したり、隔離したりすることで、ストレージやデータをネットワークやアプリケーションから独立した管理ができることを目的にする。
- 機能やデバイスを統合し、それらの複合体を隠蔽し、下位レベルのストレージ資源を自由に追加することができるストレージサービスやデバイスに対する仮想化アプリケーションを指します。
以上のストレージの仮想化技術はストレージやコンピュータ、ネットワークといった通常使用されるITハードウエアから切り離され、グラウド、グリッドとして抽象化され、更にはサービスプロバイダが提供するストレージサービスそのものも、その一部と見なされるようになってきました。
【関連リンク】
・【技術資料】クラウド時代のバックアップ手法 〜事業継続とIT統制のためのデータ保護〜
・【用語解説】グリッドコンピューティングとは
・【用語解説】レプリケーションとは
・【用語解説】マイグレーションとは