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Fibre Channel, SCSI Hard disk Drive vs. Serial ATA Hard disk drive
- ドライブ仕様からみたFC, SCSI RAIDとSATA RAIDの使い方 -
2004.5.10

icon1.パラレル(並列)転送とシリアル転送
icon2.ディスク・ドライブとしてのパフォーマンス
icon3.適用業務アプリケーション
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シリアルATA(SATA)は ATA をベースに、FC (Fibre Channel ) と SCSI (Small Computer Standard Interface) の技術を取り入れたインタフェースです。

1.パラレル(並列)転送とシリアル転送

SCSIの規格は、パラレル転送を前提として規格、運用されてきました。パラレル転送は、例えるならば、二人三脚をしているような物です。一緒に動いている人の一人が歩調を乱すと、全員が転んでしまいます。ゆっくり歩いている分には、転ぶ頻度は少ないでしょうが、早く走れば走るほど、長い時間走り続けるのは困難になるでしょう。これは、バスについても当てはまります。並列で高速転送を行うと、時間当たり流れるデータ数が増えていきます。これは単位時間内で有効なデータの幅が小さくなっていくことを意味します。 同期信号は、マージンを考慮してデータと同時に並列転送されますが、外部ノイズなどの理由で、同期信号とデータ信号に時間的なずれが生じると、データ化けが発生してしまいます。一方、シリアル転送では、同期が取れている限り、高速にデータを転送しても、データが化ける事はありません。他の信号線と同期を取る必要が無いからです。同期信号は、データ信号に組み込まれて、データ信号と同じ経路を通って流れます。時間的な「ずれ」は発生しません。SATAでは、FC で採用されているコード化技術を採用し、より安全な通信を確保しています。

2.ディスク・ドライブとしてのパフォーマンス

SATA ディスクでは、SCSI ディスクで採用されていた、コマンド・キューイング ( 命令を先読みしておき、機械的な動作で生じるオーバーヘッドを防ぐ機能 ) が導入されました。SCSI ディスク程、高機能ではありませんが、ATA ディスクよりは、はるかにパフォーマンスが向上しています。

1)コマンド・キューイング

SATAディスクのコマンド・キューイングでは、データが格納されているブロックアドレス番号の大小関係を元に、データをアクセスします。( 番号の近い順番でアクセスされます。)SCSIディスクのコマンド・キューイングでは、データか格納されているブロックアドレス番号の大小と、同心円状に記録されているデータがアクセスできるまでの回転待ち時間を考慮し、より早くアクセスできる経路(ステップ)を使ってデータをアクセスします。

次ページ図1の例では、ディスクが時計回りと仮定して、
SATAの場合: A→C→Bの順番でアクセスされます。
SCSIの場合: A→B→Cの順番でアクセスされます。
アクセスされるための回転待ち時間は
SATAの場合: 1/8 + 5/8 + 5/8 = 11/8
SCSIの場合: 1/8 + 2/8 + 3/8 = 6/8

となり、この例では、キューイングされた3つの命令が終了するまで、SATAディスクの方が5/8回転分だけ、余計に待つ事になります。

scsivssata_image

また、キューの個数は、SATAでは1個、SCSIでは3個。キューの深さは、SATAでは32個、SCSIでは255個までとなり、SCSIディスクとSATAディスクを比べた場合、SCSIディスはデータ・ベースなど、ランダムアクセスを行うアプリケーションに適しており、SATAディスクはストリーミング配信など、シーケンシャル・アクセスを行うアプリケーションには適しています。

3.適用業務アプリケーション
以上ご説明しました様に、FCやSCSIディスクとSATAディスクを比較した場合、性能的には前者のディスクが優れていますが、ストリーミング配信など、シーケンシャルな用途で使用した場合、シングル・タスクであれば、速度的には、双方ともに開きはありません。むしろ、この場合、SATAディスクを使用した方がコスト的には有利だと思われます。お互いの特徴を把握し適切な用途で使われる事をお勧めします。

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