防音ラックシステムについて
2009.12.21
MICより提供しているSANストレージは、ストレージやサーバ機器に快適な環境であるサーバルームで管理されているケースがほとんどです。
最近ではデータの増加に伴い、「オフィス環境に大容量ストレージを設置したい」とのニーズも増え、「オフィス環境でサーバやストレージに快適な環境を与えるにはどのような管理をするべきか?」とご相談をいただくケースが増えています。オフィスで使う大容量ストレージに求められているものは、統合されたデータをどのように効率よく取り扱うか、またストレージをどのように構築するか、など課題は沢山あります。
しかしそれ以前に、統合されたデータの収納場所であるストレージ側の騒音も課題となるケースがあります。ストレージやサーバを安全に安心して使用し、長寿命を確保する為には、冷却ファンなどによる空調管理が欠かせない訳ですが、この冷却ファンの作動が騒音の原因となり、オフィスには適さない環境を作ってしまう訳です。
サーバ作動音は、平均70dBの騒音レベルといわれています。
日常をdBで表現した騒音レベルは、以下の通りです。・木の葉のそよぎ / 20dB
・静かな事務所 / 50dB
・会話が飛び交う事務所 / 60dBサーバやストレージの作動音が70dBとなると、オフィスでの電話対応や会話も聞き取れない状態をまねき、作業効率を向上させる為に投資したサーバやストレージが、かえって人間にとって不快感をあたえ、作業効率を下げる結果になりかねません。
MICでは、オフィスにも影響をあたえず、快適なオフィス環境を維持できるよう、オフィスに導入させていただく際には、19インチ清音・防音サーバラックを提案しております。
サーバラックは沢山のメーカーがあり、さまざまな特徴がありますが、本資料ではサーバラックでは有名な、摂津金属工業株式会社様の「中型防音ラック」を例にあげ、ご紹介させていただきます。
摂津金属工業様の、「NBSDシリーズ 中型防音ラック」を最近お客様に納めさせていただきました。
NBSDシリーズは、19dBの防音化を実現した中型防音ラックです。
19dBとは、20dBの木の葉のそよぎより静かな環境を提供することが可能なラックシステムになります。摂津金属様で公開されている騒音測定結果があります。
●測定環境
・実験場所の音の大きさ : 38dB
・測定点 : 周囲4方向、ラック表面から1m 離れた点
・測定高さ : 床面から1m
・騒音計の向き : マイクロホンをラック方向に向ける
・騒音レベルの読み取り : 平均値に最も近い整数値
・音源(風切り音)の向き : ラック内後面●測定結果
サーバラックにファンモータ×6ヶを実装させ、防音効果を測定した結果
→ 13dB〜19dBの防音効果音を遮断するには、遮音材、防音材で完全な密閉をすることが一番の近道です。
しかし、密閉してしまうことで、ラックシステム内で熱がこもってしまい、サーバやストレージの安全運営は保てません。つまり、放熱に必要な空気を通しても、騒音は漏らさないラックシステムが必要です。NBSDは、吸気・排気にも工夫がなされ、サーバを冷却するための風量の確保もなされています。適切な風量をラック外部から取り入れ、機器から排出された熱気は効率よく外部に排出されます。風量の確保には、システム規模に応じファンユニットの数量を調整し搭載させ安全運用していきます。
熱量についても下記の計算結果が公開されています。
●熱量計算
図1）サーバ250W x 6台 合計1500Wの場合
図2 ) サーバ420W x 6台 合計2500Wの場合
吸気・排気の流れは、下記図を参照下さい
図3)ラック側面内部図
熱量の放熱について注意しなければならないのは、当然ラックシステム内に吸気する空温が適切な温度である必要があります。
室内、ラックシステム中が概ね10度程度の温度差があると想定すると、吸気側には20度〜24度程度の温度で吸気させる必要があるので、別途冷却環境を整える必要もあります。サーバやストレージにとって最適な環境を維持するためには、電気代や設置場所など見えないランニングコストがかかっているのも事実です。効率の良いオフィス環境を多方面で検討することで、積み重なったコストが削減できるかもしれません。
MICは、お客様の環境や要望にあわせIT機器をご利用いただく事を願っています。快適なオフィス環境をご検討下さい。
