グリッドストレージとデータマネージメント 3
2009.7.21
ストレージグリッド化
データマイグレーション
非構造化データの場合、そのデータの性格からデータ容量の伸びは構造化データに比較して数倍、または、10倍以上の率で増加することが予想されます。一方で、ハードディスクはますます大容量化し、3.5” 2TBのディスク容量のドライブもエンタープライズ製品としてまもなく実用化されようとしています。爆発的に増大するデータに対し、大容量化するハードディスクをその保存先とすることは自然の成行きです。エンタープライズディスクドライブを使用し、RAID ６の冗長化アレーを構成することにより、データ保全に関し、高い安全性を確保する事も可能です。しかし、それでもデータ消失のリスクが無くなった訳ではなく、一旦データ破損が発生するとその被害データは甚大な容量になります。そこで、データレプリケーションとデータバックアップを組み合わせたデータマイグレーションという考え方が一つのソリューションになってきました。データマイグレーションのシナリオとしては、最初はあるストレージに保存されたデータをデータの書込み時にそのコピーを他のストレージに保存する作業から入ります。この操作はデータレプリケーションと類似しています。次に、そのデータはポリシーベースで定められた間、オリジナルのストレージとコピー先のストレージに保存されますが設定された期間にそのデータに更新が行なわれなかった場合、オリジナルのストレージからそのデータは削除され、コピー先のストレージにのみデータが保存されます。ただ、この際オリジナルのストレージには次のアクセスに備え、そのデータのポインターが保存されます。オリジナルデータ上のそのデータに対するアクセスは残されたポインターのパス情報に基づきリダイレクトされ、コピー先のストレージにアクセスされます。また、データは同時にコピー先のストレージから、バックアップ用に設置されたテープライブラリーや、光ディスクライブラリー、さらには、これらバックアップライブラリーに疑似化されたRAID装置にバックアップされます。
この一連のデータの移行をデータのマイグレーションと呼びます。これら一連の動作は管理者のデータマネージメントポリシーに基づいて設定されます。例えば、あるデータを１年間オリジナルのストレージに保存し、その後、コピー先のストレージにのみ残し、削除するというポリシーを設定すると、オリジナルのストレージはその分フリーなスペースを広げることができます。この期間をリテンションと呼びます。階層化ストレージ管理
データをマイグレーションした後、必要なデータはオフライン化してアーカイブ化する必要があります。この方法は通常はバックアップサーバとリムーバブルメディアライブラリーとの間で行なわれます。しかし、リムーバブルメディアのライブラリ内部でのオペレーションは数十秒から場合によると分単位のオペレーションになり、コンピュータの世界での時間感覚とは別世界の時間になります。この為、以前からデータステージングする技術がよく使われてきました。ステージングとは高速ストレージの一部をキャッシュとして確保し、その部分を仮想的にテープライブラリーの一部として使用する方法です。データのバックアップはライブラリー内部のリムーバブルメディアに直接書き込まれるのではなく、一旦キャッシュに書き込まれます。その後タイミングをみて実際のリムーバブルメディアに書込みを行ないますが、同一データに再度リードのオペレーションが行なわれた場合はキャッシュ内に残っているデータから直接リードを行うことができます。このような方法を階層化ストレージ管理方法(Hierarchical Storage Management)と呼びます。まとめ
我々は、数TB、数百TBという容量のデータの安全な保存、利用、アーカイブという問題に直面しています。今回ご紹介したデータのレプリケーション、データのマイグレーション、HSMのアーカイブソリュションはこの課題を解決する一助になると確信しています。当社は去る7月1日にClaStor1235、4835のネットワークストレージを発売いたしました。このClaStorシリーズは10TBから最大1PBまでの大容量のデータを保存することができます。このデータを安全に保存し、利用し、アーカイブするためにデータレプリケーション、マイグレーションソリューションをご提案してまいります。ご期待下さい。前ページへ
【関連リンク】
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