metaSAN / metaLAN
バージョン4.6.1リリースのハイライト
2011.07.12
Tiger Technology社により開発され、既に多くのインストレーション実績を誇るmetaSAN /metaLANも、最新リリースバージョンが4.6.1となり、この度MICでは この検証を鋭意行い、その信頼性、性能を確認することができました。この確認作業により、弊社では今月から国内ユーザー様向けに、本バージョンのリリースを開始する運びとなりました。本項では、metaSAN / metaLAN v. 4.6.1のハイライトを幾つかご紹介させていただきます。
まず第一に、v. 4.6.1では、Windows 64ビットOSでのリード/ライト性能が向上しました。弊社検証作業では、SANを共有するmetaSANメンバーPCや、これらのメンバーPCをゲートウエイとして、LAN越しにSANストレージへのブロックアクセスを行うmetaLANクライアントにおいて、安定性の向上の他に、大幅なリード/ライト性能の向上が確認されています。例えば、Windows XP 64ビットにおける、4Kバイト程度の小さなIOサイズから512KバイトのIOサイズまでのレンジに関し、IO性能の数十パーセントの向上が見られ、それ以上のIOリクエストサイズのレンジでも総じてIO性能が向上しています。
metaSAN / metaLANのリードライト性能向上は、従来のCIFSベースのファイル共有に対して大きなアドバンテージとなります。弊社が過去に実施したテスト(弊社技術文書「metaLAN とWindow 共有の得失」をご参照ください。)によると、Windows CIFSサービスでは、単一のファイルアクセスに対するデータ転送レートがIOサイズに関わらず比較的高いのに比べ、metaSAN / metaLANでは、ファイルアクセスのロックリリースをコントロールする必要から、小さいIOサイズの場合、CIFSサービスと比較してデータ転送レートが低い傾向にありました。今回のmetaSAN / metaLAN v.4.6.1へのバージョンアップで、小さい容量のIOリクエストにおいてリード/ライト性能が向上したことで、この問題が改善されます。上図は、metaLANクライアントにおける、SANストレージへのアクセス性能を表しています。これは、metaSANを搭載したワークステーションをゲートウェイとし、metaLANを搭載したクライアントが1Gb イーサネットを経由してSANに直接アクセスする場合の性能を、折れ線グラフにしたものです。この性能評価では、IOmeterと呼ばれる標準的なベンチ評価ソフトを使用して、metaLANクライアントからSANストレージへのIO性能を評価しています。
X軸はSANストレージへのIOのリクエストサイズ(1回のコマンドで転送されるデータ容量[KB/IO])を、Y軸はそ
のデータ転送レートを1秒当りの転送量[MB/秒]で表しています。また、表中の実線はmetaLAN v.4.6.1、破線はmetaLAN v.3.4.0を表しています。一見してご理解いただけるように、同じ1GbE のネットワークを経由していても、metaLAN v.4.6.1では大幅なリードライト性能の向上を確認できます。また、同様なテスト環境でのランダムアクセスの性能も向上していることが確認されており、これによって複数クライアントからの同時アクセスに対して、従来より高速なデータ転送を維持することができます。5月末に当社が発売開始しましたCLASTOR2100ネットワークストレージアプライアンスのうち、CLASTOR2100-MSには、ご紹介していますmetaSAN v.4.6.1が搭載されています。このアプライアンス製品には、ネットワーククライアント用SANアクセスソフトであるmetaLAN v. 4.6.1が、6クライアント分パッケージされています。
metaSAN v.4.6.1の第二のハイライトとして、metaSANの開発元であるTiger Technology社がオランダのFilmPartners社と提携し、metaSANが提供するSAN共有ストレージと、MXFserverが提供するMXFベースの映像メディアサーバーの統合を果たしたことが挙げられます。
MXFserverは、FilmPartners社が開発したメディアサーバーで、プロジェクトを複数のワークステーションで共有しながら、プロジェクトデータ、メディアデータへのネットワークベースのアクセスを可能にする、サーバーアプリケーションです。NASを共有ストレージとするMXFserverは、これまでIBM社やOmneon社を介して世界のメディア企業に導入されており、多くの実績を誇っています。
今回、metaSAN v.4.6.1がMXFserverに対応したことで、従来のMXFserverにおいてネットワーク経由で管理されていたメディアコンテナーに対するアクセスが、ファイバチャネル経由、および、経済的なLAN経由で、SANストレージへの高速なアクセスが可能になります。 これにより、複数のデザイナーやエディターによる映像編集業務のワークフローにおいて、プロジェクトやメディアファイルをより効率的に共有できるようになります。また、このようなワークフローにおけるプロジェクトロックやBinロックと呼ばれる、MXFserverのOverwrite排除等の機能ともmetaSAN / metaLANは互換性を持つことができます。このMXFserverとmetaSAN / metaLANの統合により、SANストレージベースのプロジェクト管理が効率的になり、容易になります。
弊社では今夏、MXFserverとmetaSAN/metaLAN連携の評価を予定しております。評価終了後に弊社技術資料として発表させていただく予定です。【関連リンク】
・【製品紹介】高速SANファイル共有ソフトウエア「metaSAN」
・【製品紹介】SANのメリットをLANのクライアントで生かす「metaLAN」
・【技術資料】metaLAN とWindow 共有の得失
・【導入事例】metaSAN/metaLAN 導入事例