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 研究・教育機関対象   「ビデオ・コンテンツ活用セミナー」 まとめレポート

   2009年5月28日
  

先月5月28日 「研究・教育機関対象 ビデオ・コンテンツ活用セミナー」が、ソニー高輪オフィスで開催された。
主催/東通産業株式会社、協賛/ソニーマーケティング株式会社 で開催された本セミナーは、城西国際大学、常磐大学、東海大学(講演順に記載)のビデオ・コンテンツを統括・活用されている先生方が、各大学で現在抱えている課題、実際に導入された事例、今後の展望などを講演し、一層、蓄積が加速されていく様々なビデオ素材を、教育現場で有効活用させるためにどのような手段やコンテンツ管理運用が必要かを解りやすく簡潔に紹介したセミナーだった。

1990年代からアナログからデジタルへ移り、2000年代からはデジタルからインターネットに移ってきた事を背景に、ビデオがインターネットに対応するようになった今、今後ネットワークが全ての基盤となり、コンテンツを作る人と使う人の区別がなくなってきた事で、それらコンテンツが集まる場所に対し価値を高めていく必要があると主催の東通産業株式会社 ソリューション開発部 江原素有 氏が述べ、セミナーが開催された。

講演は、「地域と大学における暗黙知のアーカイブ・共有・配信」(知のリアリティとアイデンティティを確保するために)というテーマで、城西国際大学 メディア学部長 袁先生の講演から始まった。
袁先生は、「人口が減少しているのと同時に、高齢化か進んでいる現在、移民の受入が増え始めている事から、教育という概念から、社会に貢献できる人材を育成し、ビジネス中心から社会中心(イベント・参加型)へと思考を変えさせ、「知っている→解る→やってみる」の習慣を身につけさせたい」と課題を述べられた。
城西国際大学の活動事例としては、2004年に若潮マラソン大会を無線LAN実験の為インターネット中継され、2009年には、中学のマラソン大会の中継をした実績がある。
こられ活動実績は、地域社会の低下という問題に対し、地域振興の必要性があり、その解決として、IT・メディアを活用し、地域資源を共有(ソーシャルキャピタル)させ、歴史・風土・文化・産業などの知的集積をすることで、「産業クラスタ」・「知的クラスタ」のネットワークを組むことができる。地域情報を共有する事は、協調行動を活発化させ、信頼関係や人間関係が平等的・水平的され、社会を高めることができると述べていた。

続いては、「学内施設の中でのバーチャルスタジオの役割と機能について」のテーマを常磐大学 情報メディアセンター 工藤統括マネージャーが講演された。
常磐大学では、図書館/AV/電算機センターを1983年に統合され総合情報センターを設立し、2005年には、鑑賞・編集作成・インターネットを利用してのレポート作成/授業での利用を目的に、図書/資料/AV/コンビュータ部門を集結し、情報メディアセンターを設立している。2007年には、バーチャル機能付きのスタジオを設置し、カメラ/ビデオ/CG/で合成編集したコンテンツを配信する新たなプレゼンテーション手法で、視覚的環境による心理学実験を行っていた。このバーチャルスタジオは、今後入院中の子供の教育など院外課外活動に役立てていく計画をしているようだ。

最後に、「東海大学映像教材ワークショップについて」をテーマに、東海大学理学部基礎教育研究室 佐藤先生が、「いろんな場所から映像が集まってくるが、置いておく場所がない。」と課題を先に挙げあげ講演を始めた。
佐藤先生のプレゼンテーションはとても印象的だった。ご自身の小学校時代にテレビで放送されていた映像の記憶から始まり、中学・高校時代の映像の記憶、または始めて手にしたコンピュータ機器の話を基に、それら映像コンテンツを探したいが、何処かにあるはずなのに見つけることができないと、プレゼンテーション資料作成時の苦労話を交えながら、映像が見つからなかった現在の問題点や感想を解り易く語られていた。
「無料サイトYouTubuやニコニコ動画などの無料サイトに映像コンテンツを置いてもいいが、キーワードをつけて管理しなくてはならなく、映像本来の意味で検索することができない為、置く事ができない。」と問題点を指摘され、本来映像がもっている意味のあるキーワードで検索できるようアーカイブ化されれば、映像業界のさらなる発展に繋がるのではないかと述べていた。

これら解決策として、ソニーマーケティング株式会社が、「コンテンツ管理配信システムの利用・・・撮影から管理配信まで」を新製品「OPSIGATE」で解決する提案を紹介し、本セミナーは終了したが、コンテンツをどのように共有するかは 各大学で持っている共通した課題であることはあきらかである。これらコンテンツ管理に必要なのは、どのようにアーカイブ化させるかであり、アーカイブが今後鍵になる事は間違いないであろう。

デジタルアーカイブに関する記事は下記を参照下さい。

■ Xyratex社が参加する 超大容量デジタルアーカイブソリューションをNAB 09 にて発表
〜音声視覚コンテンツの記録・保存分野で躍進するAVATAR-mプロジェクト〜
http://www.micassoc.co.jp/micnews/09_05_12.html
■ Xyratex社が参加する イギリスでの大容量コンテンツアーカイブシステム構築プロジェクトに関して
http://www.micassoc.co.jp/techdocs/LScaleDigitalArchive_UK.html