最新メールマガジンロゴ

 SAN・ストレージマガジン

メールマガジンを毎月1回お届けしています。ご希望の方はこちらからご登録ください。

■お名前

■メールアドレス


(確認用)




 2010年 年末に際して 

2010年12月27日 
  

皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶びもうしあげます。本年中は大変お世話になり誠に有り難うございました。
いよいよ今年最後のメルマガとなりました。2010年を振り返りますとあっという間に1年が経ったように感じると同時に、新しい時代に向けての大きな波が起き始めている気が致しております。

私どもの業界に目を向けますと、過去数年間クラウドコンピューティングや、仮想化コンピューティングといった、従来のITインフラの概念とは異なる分散コンピューティングが当たり前の様に話題になるようになってまいりました。そうした中、米国では大きな企業買収が幾つかありました。日本でも話題になりましたHP社による3PAR社の買収、そして年末のEMCによるiSilon社の買収は、いずれも2千億円を超える大型企業買収でした。その他にもNetAppによるBycast、DellによるCompellentといった買収がこの間に起きています。面白いことに、NetAppやEMCといったストレージ業界の雄と言われる企業だけではなく、HPやDellといったサーバ分野の大企業が高額なコストを投じてストレージ企業を買収しています。こうした買収の動きとしては今年に入る前にあったIBMによるイスラエルのXIVという企業買収、そして、DellによるEquaLogicの買収もサーバメーカによるストレージ企業の買収として数えるべきでしょう。

これらの買収された企業で共通することは、何れの企業もネットワークストレージシステムのベンダーであるということです。2008年、2009年に有力調査会社のIDCやGartnerは、今後数年間の非構造化データは年率60%を超える勢いで増加すると予想し、この課題に対しネットワークストレージで対応するようIT業界全体に呼びかけています。まさにフォーキャストの通り、ストレージメーカだけでなくサーバメーカも映像、画像、PDF、メールといった非構造化データを収納可能なネットワークストレージという喫緊の技術を、企業買収というかたちで手に入れている訳です。実際に市場での非構造化データは急激に増大していますが、一方で厳しい経済環境から、より少ない投資で最大の効果を上げることを経営者側から求められています。そのソリューションとして、種々のストレージ仮想化技術を用いたネットワークストレージ製品が市場に投入されつつあります。

一方、今年大きく変化した分野は、バックアップの技術です。ネットワークストレージの普及に伴い、万一のストレージ障害に備えるため、データのバックアップをネットワークを介して別のストレージに保存する必要性が出てきました。ネットワークストレージ内部に収納されたデータの更新過程を含むバックアップや、過去の任意の時間でのユーザデータをネットワーク上の他のストレージに復元をすることや、大容量化したデータの継続的なバックアップや、データリカバリーを数分の限られた時間内に実行する必要性です。

昨年からのCPU世代交代に伴い、従来のCPUの処理能力を大幅に超えるコンピュータが登場してまいりました。その結果、以前は比較的大きな負荷となっていたsnapshotの処理や、データの圧縮、またブロックレベルでの重複排除の処理が高速に実行できるようになってきました。このコンピュータ処理能力と高性能なソフトウエアーを組み合わせることで、ネットワークストレージでの高速なデータ更新に対応したsnapshotベースのデータバックアップと、必要に応じてネットワーク内のどの場所のストレージにでもバックアップされたデータを復元することが可能になりました。更に、これらのバックアップデータは圧縮され、データの重複を排除し、バックアップストレージに要する容量を実用量の数分の一にまで圧縮することができる様になってきました。

以上の様に、画像、映像、PDFなどの非構造化データは年々増大するばかりです。その傾向に対応することができる拡張性と柔軟性に優れたネットワークストレージと、保存されたデータをネットワーク経由でバックアップし、復元することを可能とするローコストなバックアップ・リカバリーソリューションによって、従来よりフレキシブルで拡張性に富んだコンピューティング環境が実現するものと確信を抱くようになって参りました。

2011年、弊社もお客様のビジネス環境の変化に対応し、個々に持たれる課題の解決にお役に立ちたいと切に願っております。より高い投資効果を実現する付加価値の高い弊社ストレージ製品をご提供することができるよう今後とも努力してまいる所存です。

最後に、皆様の更なるご発展を心より祈念しますとともに、来年もかわらずお引き立て賜ります様お願いもうしあげます。どうぞ良いお年をお迎え下さい。

2010年12月27日

エムアイシー・アソシエーツ株式会社
代表取締役 藤井 道雄